penpoko’s blog

現役小学校司書による読み聞かせに使える本の紹介などをしていきます

いろいろへんないろのはじまり

いろいろへんないろのはじまり

この本は、2年生の読み聞かせに使います。

この時期、2年生の国語には毎年、アーノルド・ローベル
「お手紙」というお話がでてきます。みなさんも一度は
読んだことがあるかも…ガマくんとカエルくんです。
そこで、並行読書としてこの本を使います。
 
まほうつかいが、はいいろの世界を変えてみようと、あおいろ
をつくります。人々は喜んで、まほうつかいからあおいろをもら
い使います。町が全部あおいろになると、なぜだか人々は悲しい
気持ちになるのでした。まほうつかいは次はきいろをつくります。
そして次はあかいろ。人々は、きいろの町は眼がチカチカするし、
あかいろの町ではけんかばかりしてしまいます。
地下室にこもったまほうつかいが何度やっても、青と黄と赤の
いろがたくさんできるだけ。そのうち、3色が流れ出して混ざって
しまいます。それをみたまほうつかいは、なぜかおおよろこびで…
最後の素敵な町の様子の絵に、子ども達から歓声がおこります。
 

ベーコンわすれちゃだめよ

ベーコン わすれちゃ だめよ! (世界の絵本)

これは、1年生の読み聞かせで使います。

作者はハッチンス。昔から読みつがれている名作です。
お話は、子どもがいきなりおつかいを頼まれるところから始まり
ます。「うみたてたまごを6こと、おちゃにいただくケーキと、
なしをひとやま、それからベーコンわすれない」といいながら、
周囲の情景にまどわされ、だんだんおつかいに頼まれたものが
変化していきます。
最後は、やっぱり‼︎ というオチですが、こどもたちは「ちがう、
ちがうっ」と、本気で教えてくれます。外国の作品なので、レー
キやケープといったこどもになじみのない言葉もでてきますが、
私はあえて話をとめて説明はしません。「レーキってなに?」と
聞こえたときは、話をすすめながら軽く絵を指さすようにしてい
ます。
 
そのほかにも、ハッチンスの絵本では、「おまたせクッキー」を
1年生読み聞かせに使っています。

精霊の守り人

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

私は学校司書になってから、上橋菜穂子作品と出会い

ました。(もっと早く出会いたかった…)
この作品、児童文学なのに主人公は30代の女性バルサ
女用心棒という設定も、児童文学っぽくない。
でも読んでると、頭の中でバルサが躍動するんです。
こんなに想像力をかきたてられた本は久しぶりでした。
5,6年生の読書好きな子に紹介すると、ドラマ化も手伝い
精霊の守り人」までは借りてくれます。ただ、そこから
「闇の守り人」に続くには、好みが分かれるみたいです。
これは、大人になってからでも充分楽しめますからね〜。
 
女用心棒バルサは、旅に途中にある国の皇子チャグムを
助けます。チャグムは、実の父親である王の命令により
命を狙わていましたが、バルサは皇子の母からの願い
を聞き入れ、王が送る刺客からチャグムを守るための旅
にでます。実はチャグムの中には精霊の卵が宿っており、
その為に命を狙われていたのです。チャグムを狙うのは
刺客だけではなく、精霊の卵を狙う異界の魔物も襲って
きます。バルサは、傷だらけになりながらチャグムを守り
ます。こうまでして見ず知らずの子ども助けるのには、
バルサの哀しく壮絶な生い立ちがあったのでした。
 
本を読んでしばらくすると、アニメをみつけました。
そして最近、綾瀬はるか主演でドラマ化されました。
おそるおそるアニメをみると…
なんとよくできたアニメじゃん!って思いました。
やっぱりバルサがぴったっとはまると、続きを知ってても
どんどん観たくなりますね。バルサの声も、落ち着いてて
ぴったりきました。
ドラマの方は…トロガイ氏がすごかった!
 
精霊の守り人はシリーズなので、どんどん続きます。
バルサとチャグムも国をまたいで、色々な困難に遭遇します。
シリーズを通して、バルサの恋人?やさしい薬草師のタンダや、
異界と連絡のとれる呪術師のトロガイ氏などの助けもあり、
バルサ自分の生い立ちと向き合い、チャグムは一国の皇子と
して成長していくのです。
 
 

どうしてあめがふらないの

どうしてあめがふらないの?

これは、1年生に6月初めの梅雨が始まった頃

読んでいます。
 
きつねのコンコンは、かえるのケロケロからもうじき
雨が降ると聞いて、傘屋さんをすることにします。
傘屋は最初順調でたくさん売れますが、次もたくさん
仕入れてくると、今度はさっぱり売れません。そこで
コンコンは、傘をひろげて並べてみました。かえるの
ケロケロに店番を頼んでいると、大風が吹いてきて
傘とケロケロが…
 
行方不明になった傘とケロケロが、そんなところに
いるとは…しかも、解決方法は自分で考えて! みたいな
終わり方…でも子ども達は口々に考えて教えてくれる
です。たぶん、低学年までしょうけど( ^ω^ )

山ねこ おことわり

山ねこおことわり (おはなし名作絵本 28)

言わずと知れたあまんきみこさんの代表作、

「車のいろは空のいろ」松井さんのタクシー
シリーズの中の1話を絵本にしたものです。
シリーズの中で絵本になっているのは、これ
だけだったとおもいます。
1,2年生の国語教科書には、必ずと言っていいほど
あまんきみこさんの作品が載っているので、
並行読書のきっかけとして読み聞かせします。
 
松井さんのタクシーに乗ったお客は、せびろを
着てネクタイをしめた、山ねこでした。1度は
タクシーから降りてもらおうとした松井さん
でしたが、病気のお母さんに会いに行くという
事情を知り、山ねこの家まで送ることします。
 
松井さんのタクシーには、色々な動物が人間の
姿になって乗車してきます。松井さんとお客の
動物たちとのやりとりが、なんともあったかい
きもちにさせてくれるお話なんです。
私が一番好きなのは、たぬきのお母さんと5つ子
が乗り込んでくる、「春のおきゃくさん」です。
絵は「チョコレート戦争」でおなじみ、北田卓史
さんです。
 
 

たまごからうま

たまごからうま (世界の民話傑作選)

この本は、2〜3年生の読み聞かせで使っています。

 
ベンガル地方の昔話だそうです。
なまけものの主人公は、ある日市場で馬を買おうと
しますが、値段が高くて買えません。そこへ1人の
商人が安く馬を売ってあげると言ってきます。
ところが安いのには理由があり、その馬はまだ
たまごだから安く売れるのだ、と言われます。
商人の言葉を信じて、馬のたまごを買う主人公。
絵本では、買った馬の卵はカボチャの絵なので、
読み聞かせをしていると、ここですかさず子ども達
からツッコミがはいります。
でっかいカボチャを運び、休憩しているところで
寝てしまい、通りがかりのキツネがカボチャにつまづき
田んぼへドボン。割れたカボチャを見て、馬の卵が
かえってしまったと勘違いした主人公は、逃げたキツネを
馬だと思い必死に追いかけます。この後、キツネが逃げ
込んだ森で、追いかける対象がサル、トラへと変わって
いきます。
 
すごいスピード感のあるお話で、ツッコミどころ満載なので、
15分くらいですが飽きずに楽しんで聞いてくれます。

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 5巻セット

最初にこの本の表紙を見た時は、どうしておばさんが

こんなに大きく表紙を飾ってるんだろう?と、不思議に
思いましたが、このシリーズが最近、高学年女子の間で
大人気なんです。
 
この駄菓子屋で売っているお菓子は、一風変わったもの
ばかり。しかも、お菓子についている説明書通りに
食べないと、大変なことがおこります。でも、この本の
主人公達は大抵欲を出してしまい、説明書の忠告を無視
してしまいます。そこで出てくるのが表紙の女性、銭天堂
のおかみの紅子さんなんです。主人公の人物像も様々で、
結末も上手くいったっり、いかなかったり…それがまた
面白いところなのかもしれません。
 
1冊中に5、6話の短編集で、1話10分以内で読み終わるので、
読書の得意でない子も楽に読めます。